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特集2 『発達障害ゆっくりていねいにつながりたい当事者研究』を読む
Review
1.人間が他人を理解するということがどれほど困難であるか、今まで読んだどの本よりも身にしみた
甲野 善紀
※1
※1 神戸女学院大学
私自身、今まで少なからぬ冊数の本を読んだと思うが、こんなにも読みにくい本と出合ったのははじめてである。しかも奇妙なことに、このうえなく読みにくい本であるのに、同時にただならぬ興味がわいてきて、この本は蔵書としてずっと手元に置いておこうと、すぐ心に決めた。 この本の読みにくさは、譬えるとすると、噂に聞く荒川修作氏設計のテーマパークで、身体の平衡維持にさまざまな錯覚を起こさせる仕掛けが施されている「養老天命反転地」のようなものだからかもしれない。とにかく何度かチャレンジしたが、私はこの本を始めから順を追ってはどうしても読めなかった。 それは、およそ常人と異なった感覚の持ち主である著者の綾屋紗月女史の感覚を少しでも理解するには、始めから順を追って読むという常識的行為からして、引っくり返してゆかなければならないような気がしたからかもしれない。
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